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ここに掲載された情報は、あくまで一般的な解釈に基づき疾病・治療法に関する情報を提供する目的で作成されたものであり、特定の手技等を推奨するものではありません。個々の患者さんの診断および治療方法については、必ず医師とご相談ください。

長谷川静子さん(92歳)

大動脈弁狭窄症

長谷川静子さんは、85歳頃から、体を動かすときに疲れを感じるようになりました。年のせいだと思っていましたが、90歳の時に心臓弁膜症の一つである大動脈弁狭窄症と診断を受けました。(インタビュー実施:2015年7月)

体が思うように動かせないのは、「年だから」と思っていた

Shizuko Hasegawa
Shizuko Hasegawa
Shizuko Hasegawa

長谷川静子さん(右)

長谷川さんは看護師として働いていた76歳の時、夜中に目が覚めてから寝られなくなり、「これはもう、仕事を辞めにゃいけん」と思い、仕事を辞めました。その後、体調の変化に気づいたのは、85歳の頃でした。
長谷川さんは、「年がいったら枝が枯れるように、次々えらく(苦しい、しんどい)なるんじゃないかと思うて、半ば諦めとったんです。」と症状があっても年齢のせいだと諦めていたといいます。 娘さんは手術の1年半ぐらい前の長谷川さんの様子をこう振り返ります。「88歳頃には、本当にえらい感じがしたんです。ちょっと歩いたら座るの繰り返しで、畑に行っても何メートルか歩いたら休むという感じだったんです。」

Shizuko Hasegawa
Shizuko Hasegawa
Shizuko Hasegawa

長谷川静子さん(右)

循環器科を受診し、診断名を告げられた

その後、長谷川さんは、かつて勤めていた医院で、症状を訴え、胸のレントゲンを撮ってもらいました。長谷川さんの心臓は少し大きくなっていましたが、1か月分の薬を処方されただけでした。そこで、長谷川さんは知り合いに紹介してもらい、循環器科を受診しました。そして2013年9月9日、「大動脈弁狭窄症」と診断を受けたのです。

カテーテルによる治療(TAVI:経カテーテル大動脈弁治療*)を受けるかどうか、眠れないほど悩んだ

「もうこのまま(TAVIを受けずに)いったほうがえんじゃろうか。それとも(TAVIを受けたら)長生きできるやろうか、それもしてみにゃわからんしと思うて、大分悩みました。寝ずに悩みました。」長谷川さんは悩んだ末、先生や看護師さんに支えられ、TAVIを受けることを決心しました。

元のように畑仕事も、お正月の餅の準備もできるように

治療前は、家までの坂道も上るのが辛かった長谷川さんですが、治療後は、息苦しさもなくなり、歩くのもみるみるうちに速くなり、見違えるくらいに元気になったと娘さんはいいます。自宅に戻られてからは、お風呂も自分で入り、食事も自分で作り、お正月には、お餅を一斗二升ほどついて、全て切り餅にしました。「午前中は、畑に出ない日はありません。4畝(約400㎡)ほど、夏野菜やらじゃがいもやら、タマネギやら作りよります。」長谷川さんは、元のように畑仕事も楽しんでいるといいます。

*TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)とは、開胸することなく、また心臓を止めることなく、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に留置する治療法です。